【文春】がん公表でマネージャーと決別、免疫治療はやらず…梅宮アンナが語る、がんになって一変した価値観「日本が素晴らしい国だなと」
https://news.yahoo.co.jp/articles/16b1c54975d139af09620d3cd3248daed262a720
■がんを公表して逃げるようなお仕事だったら、私はいらない
ーーステージ3Aだと発表したことで、マネージャーと「さよなら」することになったと。
アンナ 考え方の相違でそうなりました。この1年、私はフリーランスで、そのマネージャーさんと一緒に仕事をしてたんですよ。そのマネージャーさんは、ずっと大手プロダクションにいた方だから、どうしても芸能界的なルールや常識に重きを置いてしまう。
でも、私は十数年前から芸能界っていう大きな傘から出ていたし、SNSの界隈がどうなっているとかも把握してたし。芸能界的な考え方でいくと、病気を公表すると仕事が逃げるから、隠さないといけないっていう。
いまの世の中でSNSをやっている以上は、自分の生活をちゃんと明かせないんだったらやる必要はないし、嘘ついたり、隠したりしてまでやることじゃないから、私は病気のことはきちんと言いたかったので。
■自分の価値観には標準治療がマッチしていた
ーー糖質がダメだったら、病院で出しませんよね。
アンナ 甘いフルーツが出てきて、やっぱりこれが答えなんだろうなと思えた。標準治療っていうものが、自分の価値観とマッチしてたんですよね。で、「標準治療でいいじゃん」って。まぁ、最初からそう思ってはいましたけど。
自由診療や免疫治療が悪いというわけじゃないんですよ。みんなそれぞれの症状、置かれているステージがあって、病院に行って「あと3ヶ月です」って言われちゃうと、わらにもすがる気持ちになって「免疫治療やってみようかな」と考える人もいるはずで。実際、私も診断が出るのを待っているときに、早くハッキリさせたくて、自由診療の胸のMRIを受けてるし。それで「がんではなくて、嚢胞です」と言われたわけだけど。
でも、あの日、あのとき、「浸潤性小葉がん、ステージ3A」と言われて「標準治療だよね」って。そういう選択。それ以外のものを選ぼうとは考えなかったんです。
ーー確固たるエビデンスがないと、受け入れがたかった。
アンナ エビデンスがないものは、やっぱりイヤだった。お金の問題もありますよ。自由診療には、1クールで400万円とかするのもあって、400万円を使うなら家族とごはんを食べたりしたほうがいいかなって。ほんと、人それぞれの価値観で選択するものだからね。私は、ほとんどのお医者さんたちが推奨している標準治療をやるべきだと思えたので。
■免疫治療の先生から「アンナちゃんを助けたい」と言われたけれど…
ーー標準治療の選択を話したことでも、いろいろと反応がありましたね。
アンナ 病院でも言われた。先生はもちろん、看護師のみなさんにも。手術してくれた先生が、わざわざ病室まで来てくれて「アンナさんみたいに標準治療のことを言ってくれた人はいない」って。
ーーがんを公表して、免疫治療などを受けないかという話は来ませんでしたか。
アンナ 言われますよ。免疫治療の先生が、それこそ「1クール400万をタダにするから。アンナちゃんを助けたいから」とかって言うんだけど、一切いらないと。「やめてください」って。「抗がん剤をやってるのに、免疫治療との混合はできません」って。
■病気になってはじめて、日本が素晴らしい国だなと
いくら保険が使えても、けっして安くはないのでね。治療を続けたくても、お金が間に合わないっていう問題も出てくるから。
ーーそれでも日本の医療制度は優れていると感じますか。
アンナ それはもう。私、日本から出られないと思った。前はアメリカに住むとか言ってたけど、いまは思わないもん。娘の百々果がアメリカにいるけど、娘は22歳で健康だから「わぁ、アメリカ楽しい」って感じ。でも、アメリカで病気になった場合、まず自費で350万円くらい必要になります。そこから自分が入ってる保険が、受けたい治療に適用されるかどうかってなるから。治療費に月100万とか払っている人もいっぱいいて。
私が生まれた日本は、国民健康保険、社会保険があって、医療費は私の母の年代だったら1割負担、私の年代だったら3割負担。そこを超えてしまったら、高額療養費制度があるから、役所に申請すれば払い戻してくれる。病気になってはじめて、日本が素晴らしい国だなと思って。